Research topics / 研究テーマ
日本や諸外国における農業や食料貿易の変動を,産業を構成する各主体の動態に注目することで,精緻かつ体系的に説明することを目指しています.
現在,日本農業では,労働力の面で地域農業を長らく支えてきた世代が急速にリタイアしています.また,先祖代々の土地を守る規範意識も弱まり,就農をめぐる価値観も多様化しています.この10年,20年のうちに,日本各地の農業は,その土地利用や労働力構成を劇的に変えていくはずです.日本の都市近郊農村で,あるいは奥地山村や離島,遠隔畑作地帯といった各地域で,農業が人々にどのようなかたちで営まれるようになるのか,換言すれば,農業が日本の国土にいかに根付き直すのかを理解する必要が高まっています.現場で起きている変化を読み取り,今後の展開を体系的に説明することに取り組んでいます.
オーストラリアでのwagyu生産拡大や日本の牛肉輸出,トンガでの対日カボチャ輸出の盛衰といった,海外の農業生産や食料貿易をめぐる重要な現象についても,個々の生産者や輸出業者の対応を跡づけて分析しています.
<具体的な研究活動>